
| 英文名 | Constitution of Japan | |
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| 科目概要 | 看護学科1年前期、1群科目、必修、講義、2単位(30時間) 医療検査学科1年前期、1群科目、必修、講義、2単位(30時間) |
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| 担当者 | (◎は科目責任者,※は実務経験のある教員) 松澤 拓也、 ◎金子 博司 | |
| 講義室 | ||
| 備考 | 科目ナンバリングコード:WN101-Bh02 科目ナンバリングコード:WL101-Bh01 |
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憲法は、法・道徳・政治の結節点に位置づけられるという点で、独特の機能と実質を備えた法である。憲法は、その他の法令や統治権力に妥当性と正統性を付与する最高次の法であると同時に、基本権保障に体現される一定の道徳的価値を示し、権力分立を軸に政治の根本的なメカニズムを定める規範でもある。すなわち、憲法は法的な規範であると同時に、政治・道徳上の基本原理を定める規範でもある。したがって、憲法を深く理解するためには、標準的な法律学のアプローチに加え、政治や道徳に関する歴史的・哲学的な洞察を取り入れることが不可欠である。本講義では、このような観点から、日本国憲法の基本的な原理と制度、そして最高裁判所を中心に展開される解釈実践を学ぶことを目的とする。
日本の成文憲法典である日本国憲法の理解に必要な学説及び判例の基礎知識を講義する。日本国憲法は、人権に象徴される「普遍」価値にコミットするものであるが、かかるコミットメント自体は歴史的・文化的に「特殊」なものでもある。そこでこうした関係を念頭に置きつつ、主として哲学、歴史、比較法という三つの観点から日本国憲法を読み解くための方法もまた提示する。具体的な内容については下記の授業計画を参照されたい。なお、各回の講義内容は、進捗状況等により適宜調整を行う。
レジュメを中心としつつ、適宜教科書及び判例教材を用いて講義形式で行う。
講義中の質疑対応や口頭での問いかけを通じて、双方向性を意識した講義を行う。
【看護学科】◎:DP1 ○:DP3、DP5
【医療検査学科】◎DP1 ○:DP3
| 回 | 項目 | 内容 | 担当者 |
|---|---|---|---|
| 1 | オリエンテーション、憲法総論⑴:近代的な国家、憲法、立憲主義の観念 | オリエンテーションでは、講座担当者の紹介の後、科目の位置づけや授業の進め方、成績評価の方法、この科目で学ぶ内容の概要を説明する。憲法総論では、国家、憲法、立憲主義などの基本概念を説明する。 | 松澤 拓也 |
| 2 | 憲法総論⑵:日本憲法史、国民主権と天皇制、平和主義 | 幕末・明治維新に遡り、大日本帝国憲法の成立から現行の日本国憲法への転換の過程を概観し、その結果生じた主権の所在の変容と天皇の位置づけの変化、平和主義の採用について説明する。 | 松澤 拓也 |
| 3 | 基本権総論⑴:人権の歴史・観念・類型、人権と基本権、公共の福祉、利益衡量論 | 日本国憲法は充実した基本権のカタログを有する。その内実と運用を把握するための前提として、まず、人権の歴史・観念・類型について説明し、人権と基本権を概念上区別する。その上で、基本権の制約原理である公共の福祉の概念を検討し、具体的な運用基準である利益衡量論を概説する。 | 松澤 拓也 |
| 4 | 基本権総論⑵:基本権の適用範囲:享有主体、私人間適用、特別関係論 | 憲法上の基本権を有するのは誰で、その規律はどのような関係に対して及ぶのかを、具体的な最高裁判例を参照しながら考える。 | 松澤 拓也 |
| 5 | 基本権各論⑴:思想・良心の自由、学問の自由 | 憲法19条及び23条の保障内容を確認し、人々の精神作用に対する国家介入の限界について説明する。 | 松澤 拓也 |
| 6 | 基本権各論⑵:信教の自由と政教分離 | 憲法20条および89条の保障内容を確認し国家と宗教の関係を説明する。 | 松澤 拓也 |
| 7 | 基本権各論⑶:表現の自由① | 憲法21条の保障内容を確認し国家による表現規制の限界を確認する。 | 松澤 拓也 |
| 8 | 基本権各論⑷:表現の自由② | 前回に引き続き、憲法21条の保障内容を確認し国家による表現規制の限界を確認する。 | 松澤 拓也 |
| 9 | 基本権各論⑸:経済活動の自由:居住・移転の自由、職業選択の自由、財産権 | 憲法22条及び29条の保障内容を確認し、人々の自由な経済活動を支える上で国家が果たす役割とその限界を説明する。 | 松澤 拓也 |
| 10 | 基本権各論⑹:生存権、教育を受ける権利、労働基本権 | 憲法25条から28条の内容を確認し、国家による社会権保障のあり方を説明する。 | 松澤 拓也 |
| 11 | 基本権各論⑺:包括的基本権と平等、国籍法制、ジェンダーと家族制度 | 憲法10条、13条、14条、24条の保障内容を確認し、国家と個人、家族の関係を説明する。 | 松澤 拓也 |
| 12 | 基本権各論⑻:人身の自由と刑事手続上の権利、国務請求権、参政権、選挙制度 | 憲法15条から18条及び31条から40条の保障内容を確認し、刑事司法制度や選挙制度と国民の関係を説明する。 | 松澤 拓也 |
| 13 | 統治機構論⑴:国政のメカニズム、立法・行政 | 国政のメカニズムを概観し、次いで議院内閣制の下での国会と内閣の地位と権限、組織、作用を説明する。 | 松澤 拓也 |
| 14 | 統治機構論⑵:地方自治 | 国と自治体の関係や「地方自治の本旨」の内容を説明する。 | 松澤 拓也 |
| 15 | 統治機構論⑶:司法、違憲審査、憲法改正 | 司法権の概念と限界及びその制度(裁判所及び裁判官の地位・権限)を説明する。また、憲法の保障と変更という観点から、違憲審査と憲法改正について検討する。 | 松澤 拓也 |
日本国憲法の基礎知識(学説・判例)を習得し、それに基づきさまざまな社会問題を法的に考察し、憲法問題を原理的に検討する能力を養うことを目標とする。
筆記試験(100%)により評価する。
加えて、授業中の発言やコメントシートの内容などを考慮する場合がある。
【予習・復習に必要な時間数:60時間】
予習:日本国憲法の関連条文や教科書の該当ページに目を通しておき、わからない部分を把握しておく。
復習:教科書や配布資料などを読み直して授業ノートを補足して整理する。
| 種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
|---|---|---|---|
| 教科書 | 立憲主義と日本国憲法 [第6版] | 高橋和之 | 有斐閣 |
| 参考書 | 新・判例ハンドブック 憲法 [第3版] | 高橋和之(編) | 日本評論社 |