
| 英文名 | Mental Health Nursing Practicum | |
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| 科目概要 | 看護学科3年後期、3群科目、必修、実習、2単位(90時間) |
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| 担当者 | (◎は科目責任者,※は実務経験のある教員) ◎中戸川 早苗※、 井手段 幸樹※ | |
| 講義室 | ||
| 備考 | 科目ナンバリングコード:WN304-Pn04 |
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精神障害と共に生きる「人」としての患者理解を深め、対象の自己決定能力に働きかけながら、対象がその人らしく生きるために必要な看護計画を立案し、実施した看護過程の看護実践評価を通して個別性のある看護の方法と役割を学習する。看護援助の実際を学ぶために、精神科病棟、精神科デイケアで実習を行う。入院環境から地域生活の場へと療養場所を移行することに伴う回復(リカバリー)支援ための看護役割と機能について学習を深め、精神保健上の問題解決能力を養い、精神看護の基礎的実践力を身に着ける。
1.精神障害と共に生きる人との関わりを通し、対象者がその人らしく生きるために必要な情報を収集し、アセスメントして看護上の問題を抽出し、課題解決に向けた看護の検討、実施、評価が行えるよう、学修過程を支援し学習促進を図る。
2.対象との援助関係の構築が図れるよう、教育的支援を行う。
3.精神障害をもちながら社会参加をしていくために必要な要素について理解が深まるよう、学習促進を図る。
・精神科病棟に入院している患者1名を受け持ち、指導・助言を受けながら看護を実践する方式の実習とする。学修過程における教育的支援にあたっては、実習指導者と連携する。
・2週間の実習期間の中で1日は、精神障害をもちながら地域で暮らす人の生活について学ぶため精神科デイケアで実習を行う。
・学生間・実習指導者・担当教員との議論を通して、多様な観点に気づくとともに精神看護の特性についての学びを深めるために、学生カンファレンスを実施する。
・日々の実習における学生の行動計画について確認を行い、口頭及び記録へのコメントを通して評価を行う。
・カンファレンスを通して学生の実施した援助の評価をフィードバックするとともに、今後の課題が確認できるように学修過程を支援する。
・実習最終日の評価面接において、学習の成果を口頭でフィードバックするとともに今後の課題を確認し、必要な事後学習を促す。
中戸川 早苗、井手段 幸樹:看護師としての臨床経験を踏まえ、精神疾患を持つ対象の入院療養および地域生活を支援する看護実践について教授する。
◎:DP3,DP4,DP6
○:DP1,DP2,DP5,DP7
| 項目 | 内容 | 担当者 |
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| 病院内見学・病棟オリエンテーション (実習1日目:2時間) 【実習場所:精神科病棟】 |
・病棟の概要と必要な倫理的配慮等について理解する。 ・病棟の鍵、保護室、危険物のチェックなど、特殊な治療状況について学び、患者に与える影響を考える。 ・精神科治療・リハビリテーションの場で提供される様々な医療・保健・福祉・社会生活技能訓練、作業療法、音楽療法、グループワーク、レクリエーション療法、薬物療法など、実際に行われている医療の枠組みと方法について知る。 |
中戸川 早苗 井手段 幸樹 |
| 受け持ち候補患者との関わり (実習1日目:5時間) 【実習場所:精神科病棟】 |
・受け持ち患者の決定とご挨拶 ・受け持ち患者の情報収集 (記録様式1:基本的条件付け、記録様式3:治療的セルフケア要件に関する記録を進める。) ≪カンファレンス≫ ・患者ケア、コミュニケーション技術、治療的環境等、実習を通して追究したいことについてディスカッションする。 ・15時以降に30分間程度指導者、教員と共に実施する。 |
中戸川 早苗 井手段 幸樹 |
| 受け持ち患者の情報収集 (実習2日目:8時間) 【実習場所:精神科病棟】 |
システムアセスメントに関する記録用紙(記録様式Ⅱ)を基に家族構成、家族の経済・住環境・家族の期待などの状況について情報収集し、家族アセスメントを進める。また、社会資源の利用可能性と適切性についても考察していく。 ≪カンファレンス≫ ・患者ケア、コミュニケーション技術、治療的環境等、実習を通して追究したいことについてディスカッションする。 ・15時以降に30分間程度指導者、教員と共に実施する。 |
中戸川 早苗 井手段 幸樹 |
| 受け持ち患者の情報収集 (実習3日目:8時間) 【実習場所:精神科病棟】 |
・記録様式Ⅳを基にセルフケアエージェンシーの操作的能力の評価を始める。 ・記録様式Ⅴを基に普遍的セルフケアの概要(診断指標となるもの)について情報の整理を始める。 ≪カンファレンス≫ ・患者ケア、コミュニケーション技術、治療的環境等、実習を通して追究したいことについてディスカッションする。 ・15時以降に30分間程度指導者、教員と共に実施する。 |
中戸川 早苗 井手段 幸樹 |
| 受け持ち患者の情報収集 (実習4日目:8時間) 【実習場所:精神科病棟】 |
患者との関係を築きながら、記録様式Ⅰ~Ⅴを基に患者理解を深めていく。 ≪患者像のカンファレンス≫ 様式Ⅰ(基本的条件付け)、Ⅱ(システムアセスメント)、Ⅲ(治療的セルフケア要件)、Ⅴ(普遍的セルフケアの概要:診断指標となるもの)の情報を元に、受け持ち患者の入院が必要な理由や退院の方向性について、理解した内容を発表し、指導者、教員と共にディスカッションする。 患者がこれまで歩んできた人生に関心を持ち、患者の体験を共有し、患者を身体・心理・社会的側面からとらえ、全体像を把握する。 *各自の疑問・解決したいことを明確にして参加する。(時間は学生1人につき15分程度) |
中戸川 早苗 井手段 幸樹 |
| 患者アセスメントのカンファレンス (実習5日目:6時間) 【実習場所:学内】 |
≪患者アセスメントのカンファレンス≫ ・記録様式Ⅳ(セルフケアエージェンシーの操作的能力の評価)、記録様式Ⅵ(看護診断リストと優先順位・現実性の検討)を基に、看護診断の根拠となるアセスメント内容を発表し、妥当性について検討する。また看護目標・計画の方向性について教員と共にグループディスカッションする。(学生1人につき30分程度) ・精神疾患が日常生活に及ぼす影響を掴み、生涯、病気と共に生きていくことで生じる困難さを理解する。 |
中戸川 早苗 井手段 幸樹 |
| 受け持ち患者への看護援助 (実習6日目:8時間) 【実習場所:精神科病棟】 |
・生涯、病気と共に生きていくことで生じる困難さへの理解を深めながら、看護を展開する。 ≪ケアプランのカンファレンス≫ 記録様式Ⅶ(全体アセスメント:目標・計画の根拠)と記録様式Ⅷ(看護目標と計画)に基づき、受け持ち患者の看護(目標、計画)に焦点を当て発表し、その看護が妥当であるかを指導者、教員と共にディスカッションする。 *第2週で実践する看護に対し、各自が検討したい内容を明確にして参加する。(学生1人につき15分程度) |
中戸川 早苗 井手段 幸樹 |
| 地域における精神看護 (実習7日目:8時間) 【実習場所:地域支援施設】 |
精神科デイケアにおいてスタッフ、メンバー(利用者)の方々と一緒にデイケアの取り組みに参加しながら、精神障害をもちながら地域で自分らしく生きることと向き合いながら生活することとはどのようなことなのかを学び、支援者として何ができるのかを追究する。さらに、病院での受け持ち患者の退院後の生活支援についての再考を図る。 | 中戸川 早苗 井手段 幸樹 |
| 受け持ち患者への看護援助:立案した看護計画の実践 (実習8日目:8時間) 【実習場所:精神科病棟】 |
・セルフケア能力のアセスメントと日常生活行動への支援を行う。 ・患者の意思を尊重し、患者の抱えている問題に患者と共に取り組む。 ・セルフケア能力の不足部分を援助する。 ・患者の健康的な側面を見出し、強化する。 ・日常生活上の困難に対処する技能を高める援助をする。 ≪カンファレンス≫ ・立案した看護計画、具体的な支援方法、治療的コミュニケーション、治療的環境等、実習を通して追究したいことについてディスカッションする。 ・15時以降に30分間程度、指導者、教員と共に実施。 |
中戸川 早苗 井手段 幸樹 |
| 受け持ち患者への看護援助:対象との援助関係の構築と発展(実習9日目:8時間) 【実習場所:精神科病棟】 |
・自分自身の中にある精神障害者に対する見方に気付く。 ・自分の表現に対する患者の反応の意味を考えることによって、自分自身の対人関係パターンを理解する。 ・患者への自分の影響についての気づきから、看護師が治療的環境になることを理解する。 ・患者の対人関係パターンを理解する。 ・自分と患者の間の相互作用に気付き、対象との関係を形成する。 ≪病棟まとめのカンファレンス≫ ・2週間の病棟実習を振り返り、病棟の治療的環境(心理的・物理的)や看護職の活動全般も含めた学びについて考えるカンファレンスを指導者、教員と共に1時間程度行う。 |
中戸川 早苗 井手段 幸樹 |
| ケースプレゼンテーション (実習10日目:8時間) 【実習場所:学内】 |
≪ケースプレゼンテーション》 ・実習6日目に立案した記録様式Ⅷ(看護目標と計画)の修正版と様式Ⅸ(看護実践の評価)を基に、看護実践の結果と看護実践への評価、及びケースからの学びを発表し、ディスカッションを行う。(学生1人につき20分程度) ・精神障害と共に生きる「人」としての患者理解を深め、対象の自己決定能力に働きかけるケアを追究し、対象がその人らしく生きるために必要な看護について学びを共有する。 ≪実習自己評価の面接》 ケースプレゼンテーション終了後、担当教員と実習の評価に関する面接を行う。精神看護学実習評価表を各自で記述し、面接の際に提出する。(学生1人につき10分程度) |
中戸川 早苗 井手段 幸樹 |
1.セルフケア不足看護理論を活用し、受け持ち患者を理解するために必要な情報収集を行い看護過程を展開できる。
2.対象の精神医学的な問題に対する個別性のある看護を理解できる。
3.受け持ち患者との治療的関係の形成に必要なコミュニケーションを展開できる
4.受け持ち患者の自己決定能力に働きかけながらその人らしい生活を送るために必要な看護援助ができる。
5.精神科医療における治療環境の治療的意味を述べることができる。
6.精神障害者の社会復帰、地域生活に必要な社会福祉制度を挙げることができる。
7.精神保健医療福祉領域で求められる看護師の役割を述べることができる。
①実習記録(50%)、②実習態度(20%)、③カンファレンスにおける提出資料、発表内容(30%)により総合的に評価する。
評価基準:
上記①~③については、具体的な評価項目8項目を記した実習評価表を実習要項に記載して学生に提示する。評価項目に基づいて記録物の提出およびグループワークへの参加の様子、発表場面での発言の様子などから実習目標の達成度として総合的に評価する。
上記②の評価に際しては、実習施設の実習指導者の意見も参考にする。
【予習・復習に必要な時間数:13時間】
予習:以下の項目について、教科書の該当部分を読み、精神看護学概論、精神看護方法論の授業資料を見直し、学習ノート等にまとめる。
1. 精神医学的な問題に対する看護について
2. セルフケア不足看護理論を活用した看護過程について
3. 精神障害者の社会復帰、社会参加、地域生活に必要な社会福祉制度について
復習:実習の中で作成した成果物に目を通し、精神障害と共に生きる「人」としての患者理解を深める。
【関連科目】精神看護方法論
| 種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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| 教科書 | 授業内で提示する。 | ||
| 参考書 | パーフェクト臨床実習ガイド 精神看護 第2版 | 萱間真美 | 照林社 |