Web Syllabus(講義概要)
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農医連携論
英文名Agromedicine
科目概要看護学科1年後期、1群科目、選択、講義、1単位(15時間)
医療検査学科1年後期、1群科目、選択、講義、1単位(15時間)
担当者(◎は科目責任者,※は実務経験のある教員) ◎向井 孝夫堤 明純※吉永 龍起伊藤 道彦柿野 亘清 和成※小林 義典※饗庭 尚子※
講義室
備考科目ナンバリングコード:WN101-Sh02
科目ナンバリングコード:WL101-Bh06

授業の目的

農医連携ってなんだろう?という疑問を持つ学生諸君も多いだろう。本学がすすめる農医連携は農を「食・環境・多様な生命」、「医」を「人の健康の維持・増進」と捉え、両者が互いに理解しあい密接に結びつくことで、持続可能な健康長寿社会の土台をつくることを目指している。本講義では、生命科学を基軸に学ぶ本学の学生が、持続可能な健康長寿社会をつくるために食や環境と心身の健康のつながりを理解することがいかに重要であるかを学び、現代社会あるいは将来起こり得る問題を幅広い視点で理解し、解決する力を身に付けることを最終目標とする。

教育内容

人の健康とは何かを解説した上で、健康に及ぼす正と負の影響に関する食や環境問題の現状を紹介する。また、学生諸君においても、身近な健康問題と食や環境とのつながりを自発的に調べてもらい、問題解決への道筋を議論し考えてもらう。なお、本講義は、種々の専門を持つ教員が担当することで、学生諸君は自身の専門外に目を向け、幅広い柔軟な考えを身に着けることができるようになることを期待する。

教育方法

複数教員によるオムニバス方式の講義を実施する。①各講義終了時に講義内容確認のため、重要なポイントを レポートに まとめるとともに、農医連携の位置づけを考える。②あらかじめ提示された課題に対して自身の考えをまとめ 、レポートとして提出す る。教員はレポートの評価を通してフィードバックする。

実務経験の授業への活用方法

堤 明純:地域における食生活を含めた予防活動および食中毒に関する治療経験から食と健康とのつながりを解説する。
清 和成:JICA専門家として派遣された、タイ、ネパールでの環境問題、衛生問題に関する教育と調査、研究の経験を踏まえ、開発途上国の環境問題、衛生問題の実際について概説する。
小林 義典:民間企業研究所における機能性素材(食品を含む)の開発や薬剤師および太極拳指導員としての東洋医学の実践の経験を踏まえて、生活習慣の予防について、東洋医学の視点から考察する。
饗庭 尚子:病院での臨床経験を踏まえ、動物介在療法の意義及び実際の動物介在療法がどのように展開されるのかを概説する。

卒業・学位授与の方針と当該科目の関連

【看護学科】◎:DP5 ○:DP1、DP3
【医療検査学科】◎DP1 ○:DP2、DP5

授業内容(シラバス)

項目内容担当者
1いまなぜ農医連携か?
~北里大学発農医連携(概説)~
北里大学で農医連携を推進する意義を理解する。向井 孝夫
2健康とは?
~医学からみた農医連携~
健康とは何かを理解するとともに、疾病を予防し、健康な状態で生命を延伸し、身体的・精神的機能の増進をはかるために、食に関わる健康リスクと予防について視野を広げる。堤 明純
3海洋生物の多様性と健康とのつながり
陸上の動植物と比べ、海洋生物は天然資源が多く利用されている。
一方、海洋の生物資源は大変動する特性を持ち、また人間活動による影響も生じている。食料としてのみならず医薬品の開発にも重要な海洋生物の多様性を理解し、持続的に利用する方法について考える。
吉永 龍起
4陸生生物の多様性と健康との
つながり
地球上には 200 万種ほどの生物種が存在すると考えられている。生命進化と生物多様性について、環境とゲノム進化という観点から概説する。さらに、生物の多様性・食・環境・疾病とのつながりを進化学的観点から考える。伊藤 道彦
5環境汚染と私たちの健康人類は産業革命以後、物質的な豊かさの恩恵には恵まれたが、一方では有害物質の的確な管理や制御ができず、環境汚染や職業性暴露から多くの被害者を発生させてきた。また、開発途上国では、今なお基本的な衛生問題に直面している。現在の環境問題や衛生問題を、世界を見渡して解説・議論する。清 和成
6SDG'sと持続可能な水田稲作
農法
SDG's における目指すべきゴールのひとつである陸上生態系の保護・回復および持続可能な利用の推進に大きく影響を与える稲作農法を紹介し、今後の生態系保全と私たちの健康にも関わる稲作のあり方について考える。柿野 亘
7医学からみた食の安全・安心公衆衛生学的な視点から、食品の安全・衛生と食行動を材料に、健康障害の予防について考える。食品中の化学物質、微生物が健康に及ぼす影響及び評価について理解し、リスク回避のために生産、加工・流通、消費に渡って取るべき行動について考える。堤 明純
8食と医薬、生活習慣と健康
~東洋医学の視点から~
「健康長寿」は、現代人が実現すべき大きな目標の1つである。古来、人類は「不老長生」を夢とし、それを実現するために、様々な考察や試みが行われてきた。本講義では、「健康長寿」を実現するためのツールとしての食と医薬、生活習慣の改善について講義し、東洋医学の視点から考察する。小林 義典
9農医連携による新しい試み
~動物介在療法の実践的取組
北里大学メディカルセンターで実践している動物介在療法を紹介するとともに、その意義について理解する。向井 孝夫
饗庭 尚子
No. 1
項目
いまなぜ農医連携か?
~北里大学発農医連携(概説)~
内容
北里大学で農医連携を推進する意義を理解する。
担当者
向井 孝夫
No. 2
項目
健康とは?
~医学からみた農医連携~
内容
健康とは何かを理解するとともに、疾病を予防し、健康な状態で生命を延伸し、身体的・精神的機能の増進をはかるために、食に関わる健康リスクと予防について視野を広げる。
担当者
堤 明純
No. 3
項目
海洋生物の多様性と健康とのつながり
内容
陸上の動植物と比べ、海洋生物は天然資源が多く利用されている。
一方、海洋の生物資源は大変動する特性を持ち、また人間活動による影響も生じている。食料としてのみならず医薬品の開発にも重要な海洋生物の多様性を理解し、持続的に利用する方法について考える。
担当者
吉永 龍起
No. 4
項目
陸生生物の多様性と健康との
つながり
内容
地球上には 200 万種ほどの生物種が存在すると考えられている。生命進化と生物多様性について、環境とゲノム進化という観点から概説する。さらに、生物の多様性・食・環境・疾病とのつながりを進化学的観点から考える。
担当者
伊藤 道彦
No. 5
項目
環境汚染と私たちの健康
内容
人類は産業革命以後、物質的な豊かさの恩恵には恵まれたが、一方では有害物質の的確な管理や制御ができず、環境汚染や職業性暴露から多くの被害者を発生させてきた。また、開発途上国では、今なお基本的な衛生問題に直面している。現在の環境問題や衛生問題を、世界を見渡して解説・議論する。
担当者
清 和成
No. 6
項目
SDG'sと持続可能な水田稲作
農法
内容
SDG's における目指すべきゴールのひとつである陸上生態系の保護・回復および持続可能な利用の推進に大きく影響を与える稲作農法を紹介し、今後の生態系保全と私たちの健康にも関わる稲作のあり方について考える。
担当者
柿野 亘
No. 7
項目
医学からみた食の安全・安心
内容
公衆衛生学的な視点から、食品の安全・衛生と食行動を材料に、健康障害の予防について考える。食品中の化学物質、微生物が健康に及ぼす影響及び評価について理解し、リスク回避のために生産、加工・流通、消費に渡って取るべき行動について考える。
担当者
堤 明純
No. 8
項目
食と医薬、生活習慣と健康
~東洋医学の視点から~
内容
「健康長寿」は、現代人が実現すべき大きな目標の1つである。古来、人類は「不老長生」を夢とし、それを実現するために、様々な考察や試みが行われてきた。本講義では、「健康長寿」を実現するためのツールとしての食と医薬、生活習慣の改善について講義し、東洋医学の視点から考察する。
担当者
小林 義典
No. 9
項目
農医連携による新しい試み
~動物介在療法の実践的取組
内容
北里大学メディカルセンターで実践している動物介在療法を紹介するとともに、その意義について理解する。
担当者
向井 孝夫
饗庭 尚子

到達目標

21世紀には農医連携の科学が不可⽋であるとの理解ができる。農と医の歴史的背景が理解できる。

評価方法

1)各講義のレポート(60%)、2) 課題に対するレポート(40%)を総合して評価する。
評価基準:
課題レポートでは、与えられた主題について文献などを活用しながら詳しく調べ、その内容を具体的に説明することができているかどうか、具体的かつ丁寧に論述できているかを評価する。

準備学習(予習・復習等)

【予習・復習に必要な時間数:30時間】
予習:ガイダンス時に紹介する授業内容に関連した文献を読んでおくこと。
復習:授業中に取り上げた資料や文献を読み直すこと。

備考・その他

・本講義はオンデマンド形式で実施する。
・学生へのメッセージ:専門分野の境界を超えて、課題を解決する力をつけることが大切であることを伝えたいと思います。分野を超えた北里ならではの考え方が「農医連携」です。ぜひ受講して下さい。

教材

種別書名著者・編者発行所
教科書なし
参考書北里大学農医連携学術叢書第
1 号~第 8 号
陽 捷行養賢堂
教科書
署名
なし
著者・編者
発行所
参考書
署名
北里大学農医連携学術叢書第
1 号~第 8 号
著者・編者
陽 捷行
発行所
養賢堂