英文名 | Medical Statistics | |
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科目概要 | 医療検査学科2年前期、3群科目、必修、講義、1単位(30時間) | |
担当者 | (◎は科目責任者,※は実務経験のある教員) ◎小林 浩二 | |
講義室 | ||
備考 | 科目ナンバリングコード:WL301-Tm03 |
臨床検査に必要なデータ解析手法の理論だけではなく、パソコンを活用して模擬データを用いたグラフ作成やデータ解析を進めながら実践的な理解をする。臨床検査における学会発表や論文に掲載されている実例を踏まえ、臨床検査技師として身に付けておくべき統計学的な解析手法について理解を深めることを主眼とする。
1.得られた検査値の要約と可視化する方法を学ぶ。
2.臨床検査で多用される相関係数の利用とその解釈について学ぶ。
3.データタイプに合わせた統計学的仮説検定について学ぶ。
4.連続値や2値データを目的変数とした様々な統計モデルについて学ぶ。
5.データ解析に必要なサンプルサイズの推定について学ぶ。
・パワーポイント、教科書(配布資料含む)及びパソコンを利用しながら講義を実施する。
・課題レポートはフィードバックとして模範解答を全体に示し解説を行う。
◎:DP2,DP5
○:DP1,DP4
回 | 項目 | 内容 | 担当者 |
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1 | 臨床検査に必要な統計学について | 臨床検査で活用されている統計学的手法について講義する。検査をするだけではなく、臨床検査技師として、得られたデータを解析することの必要性を理解する。 | 小林 浩二 |
2 | 基本統計量について | 臨床検査で取り扱う、間隔尺度、比尺度、順序尺度や名義尺度など様々な尺度に関して講義する。これらデータの特性とその基本統計量に関して理解する。 | 小林 浩二 |
3 | データの可視化について | 臨床検査データやその要約統計量を利用したデータの可視化について講義する。ヒストグラム、散布図や箱ひげ図の特性だけではなく、ダイナマイトプロットやカプランマイヤー曲線に関しても理解する。 | 小林 浩二 |
4 | 確率分布と区間推定について | 臨床検査値を特徴付ける確率分布とその区間推定に関して講義する。正規分布、t分布、F分布、χ2分布に関して理解する。 | 小林 浩二 |
5 | 相関係数について | 医学分野で用いられる様々な相関係数について講義する。主にピアソンの積率相関係数、スピアマンの順位相関係数に関して、理解する。 | 小林 浩二 |
6 | 回帰分析について | 2変量の関係を示す回帰直線の導出法に関して講義する。単回帰分析は、臨床検査において多用される分析法であるため、その長所と短所について理解する。 | 小林 浩二 |
7 | 統計学的仮説検定について1 | 帰無仮説や対立仮説の立て方、仮説検定の論証手順に関して講義をする。データタイプに合わせて、パラメトリック検定やノンパラメトリック検定を使い分けることを理解する。またサンプルサイズに関しても理解を深める。 | 小林 浩二 |
8 | 統計学的仮説検定について2 | パラメトリック検定について講義をする。主に対応のあるt検定、スチューデントのt検定、ウェルチの t検定、一元配置分散分析、多重比較(テューキー法、ダネット法)に関して理解する。 | 小林 浩二 |
9 | 統計学的仮説検定について3 | ノンパラメトリック法について講義する。主にマンホイットニー検定、ウイルコンクソン符号付順位和検定、クラスカルウォリス検定、フリードマン検定、多重比較におけるボンフェローニの調整法に関して理解する。 | 小林 浩二 |
10 | 統計学的仮説検定について4 | クロス集計表で表現されるデータに対する検定について講義する。主にχ2検定、マクネマー検定、コクラン・マンテルヘンツェル検定について理解する。 | 小林 浩二 |
11 | 一般化線形モデルについて1 | 様々な統計モデルと重回帰分析について講義をする。重回帰分析は、臨床検査においても多用される手法であるため、変数選択や適合度評価に関しても理解を深める。 | 小林 浩二 |
12 | 一般化線形モデルについて2 | ロジステイック回帰分析について講義する。検査結果が陽性・陰性、診断結果が良性・悪性など、目的変数が2値データである場合の解析法に関して理解する。 | 小林 浩二 |
13 | 一般化線形モデルについて3 | 線形混合モデルに関して講義する。臨床検査値にかかわる様々な要因ごとのバラツキを変量効果として推定した上で、固定効果を評価する統計モデルを理解する。 | 小林 浩二 |
14 | 生存時間分析について | 生存時間データの解析について講義する。カプランマイヤー曲線、ログランク検定やコックスの比例ハザードモデルに関しても理解する。 | 小林 浩二 |
15 | データ解析演習 | これまで修得したデータ解析の知識を使って、与えられた模擬データの解析演習を行う。解析結果をレポートとして提出する。 | 小林 浩二 |
1.様々な基本統計量について説明できる。
2.データの可視化(各種グラフ)について説明できる。
3.データタイプに合わせた各種統計学的仮説検定の適用について説明できる。
4.線形モデルについて説明できる。
5.生存時間分析における群間の比較評価について説明できる。
6.サンプルサイズを推定することの重要性を説明できる。
1)定期試験(70%)、2)課題レポート(30%)により評価する。
評価基準:
・定期試験では、講義で学習した内容についての問題に正しく解答できるかを評価する。
・課題レポートは、模擬データを解析し、結果の適切な解釈ができるかを評価する。
【予習・復習に必要な時間数:15時間】
予習:教科書(配布資料含む)をもとに予習を行う。
復習:講義内容をもとに復習を行う。
【関連科目】情報処理Ⅰ〜Ⅲ、数学、精度保証管理学、データサイエンス概論
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | EZRでやさしく学ぶ統計学(改訂第3版) | 神田善伸 | 中外医学社 |
参考書 | 基礎から学ぶ統計学 | 中原 治 | 羊土社 |