Web Syllabus(講義概要)
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精神看護学概論
英文名Introduction to Mental Health Nursing
科目概要看護学科2年後期、3群科目、必修、講義、2単位(30時間)
担当者(◎は科目責任者,※は実務経験のある教員) ◎中戸川 早苗※久保田 学井手段 幸樹※
講義室
備考科目ナンバリングコード:WN301-Pn04

授業の目的

精神看護の基本となる人間理解を目的として、人格の発達過程および心理・行動上の問題について学び、疾患や障害があるか否かにかかわらず健康な生き方とは何かについて考える。また家族や集団における人間関係を理解し、社会生活を営むうえで精神的健康や障害が人間の生活に与える影響を理解するとともに、倫理観や人権意識を修得する。さらに、精神的健康課題を有する患者と家族が地域で生活できるよう、社会資源の活用方法、地域精神保健活動について学習し、自己実現に向けて回復への道のりを進んでいこうとする人への包括的支援のあり方について理解を深める。

教育内容

1.ライフサイクルや家族・集団の中で人の心はどのように育まれ発達するのかを講義する。
2.疾患や障がいの有無にかかわらず、メンタルヘルスに影響を与える事柄について講義する。
3.我が国の精神保健福祉の歴史と人権や倫理観について講義する。

教育方法

・パワーポイントと講義資料を用いた講義形式(対面授業)ですすめる。
・各講義で実施する小テストあるいは課題について、小テストは、テストの実施・回収後に授業内で設問・模範解答の解説を行いフィードバックする。課題については、学生全体への講評を行いフィードバックを行う。

実務経験の授業への活用方法

中戸川早苗 井手段 幸樹:看護師の臨床経験を踏まえ、事例を用いながら講義し、複雑な背景を持つ患者への倫理観や人権意識の修得、社会生活を営むうえで精神的健康や障害が人間の生活に与える影響について教授する。

卒業・学位授与の方針と当該科目の関連

◎:DP3,DP4,DP6
○:DP1,DP2,DP5

授業内容(シラバス)

項目内容担当者
1オリエンテーション
健康と障害の概念と考え方
健康と障害の基本的な考え方、および精神保健福祉の現状とユニバーサルデザインの基本的な考え方について学ぶ。中戸川 早苗
2情緒体験のプロセスと人格の形成情緒体験のプロセスと、愛着の対象との関係性や発展が人格の形成に与える影響について学ぶ。中戸川 早苗
3人間の精神活動/心の防衛機制心の機能と構造、防衛機制、精神・心理状態のアセスメントについて学ぶ。井手段 幸樹
4ライフサイクルとメンタルヘルス人生における各種発達段階の課題と危機状況を理解し、それらの体験が人の心の健康、成長と変化に及ぼす影響について学ぶ。中戸川 早苗
5家族と精神(心)の健康現代社会における家族のありようや精神障害者を身内にもつ家族がおかれている状況を知り、必要な支援を行うことの重要性について学ぶ。中戸川 早苗
6精神疾患をもつ人の身体をケアする精神機能(思考・感情・意欲・意識・記憶など)の障害であるさまざまな精神症状について学習する。また身体と心は密接なつながりをもつこと、心の痛みがどのように身体で表現されるかを知り、身体のケアと心のケアの関連について理解する。井手段 幸樹
7精神疾患のあらわれ方精神疾患をもつ人にとって「精神を病む」体験とはどのようなものなのかを理解し、当事者の方々が求める看護や社会資源について学習する久保田 学
8精神疾患をもつ人の回復を支援する精神障害をもつ人にとっての回復・リカバリーとはなにか、その意味について学び、当事者のリカバリーを支援するために看護師になにができるかを追求する。中戸川 早苗
9精神的健康問題と看護
統合失調症(急性期・慢性期)
統合失調症の急性期、慢性期における精神症状が生活に与える影響と看護上のポイントについて学習する。中戸川 早苗
10精神的健康問題と看護
嗜癖と依存(アルコホーリクス・アノニマスの活動)
人が体験するさまざまな依存関係の背景について学習し、それらが人生に与える影響を理解し、ピア活動の意義について追求する中戸川 早苗
11精神的健康問題と看護
うつ病、双極性障害、嗜癖と依存
うつ病、双極性障害、嗜癖と依存に関する概要および精神症状が生活に与える影響と看護上のポイントについて学習する。井手段 幸樹
12精神症状の理解「怒り」と「不安」/ 看護師のメンタルヘルス「怒り」という感情に焦点を当て、その心情について、背景や認知の視点から理解する。中戸川 早苗
13精神保健医療と看護の歴史欧米の精神医療の歴史を概観すると同時に、日本の精神医療と看護の変遷を理解し、その特殊性と現存する課題について学ぶ。中戸川 早苗
14精神治療と人権擁護精神医療に伴う隔離、拘束などの強制的医療行為の意味を考え、精神科独自の治療環境と人権擁護のあり方について学ぶ。中戸川 早苗
15精神障害をもって生きる人の生活精神障害者がおかれている社会的立場や社会生活を維持する上での困難となることの理解を通して、精神障害をもって生きるとはどのような体験なのかを考える。リカバリーを基軸とした精神医療について学びを深める。中戸川 早苗
No. 1
項目
オリエンテーション
健康と障害の概念と考え方
内容
健康と障害の基本的な考え方、および精神保健福祉の現状とユニバーサルデザインの基本的な考え方について学ぶ。
担当者
中戸川 早苗
No. 2
項目
情緒体験のプロセスと人格の形成
内容
情緒体験のプロセスと、愛着の対象との関係性や発展が人格の形成に与える影響について学ぶ。
担当者
中戸川 早苗
No. 3
項目
人間の精神活動/心の防衛機制
内容
心の機能と構造、防衛機制、精神・心理状態のアセスメントについて学ぶ。
担当者
井手段 幸樹
No. 4
項目
ライフサイクルとメンタルヘルス
内容
人生における各種発達段階の課題と危機状況を理解し、それらの体験が人の心の健康、成長と変化に及ぼす影響について学ぶ。
担当者
中戸川 早苗
No. 5
項目
家族と精神(心)の健康
内容
現代社会における家族のありようや精神障害者を身内にもつ家族がおかれている状況を知り、必要な支援を行うことの重要性について学ぶ。
担当者
中戸川 早苗
No. 6
項目
精神疾患をもつ人の身体をケアする
内容
精神機能(思考・感情・意欲・意識・記憶など)の障害であるさまざまな精神症状について学習する。また身体と心は密接なつながりをもつこと、心の痛みがどのように身体で表現されるかを知り、身体のケアと心のケアの関連について理解する。
担当者
井手段 幸樹
No. 7
項目
精神疾患のあらわれ方
内容
精神疾患をもつ人にとって「精神を病む」体験とはどのようなものなのかを理解し、当事者の方々が求める看護や社会資源について学習する
担当者
久保田 学
No. 8
項目
精神疾患をもつ人の回復を支援する
内容
精神障害をもつ人にとっての回復・リカバリーとはなにか、その意味について学び、当事者のリカバリーを支援するために看護師になにができるかを追求する。
担当者
中戸川 早苗
No. 9
項目
精神的健康問題と看護
統合失調症(急性期・慢性期)
内容
統合失調症の急性期、慢性期における精神症状が生活に与える影響と看護上のポイントについて学習する。
担当者
中戸川 早苗
No. 10
項目
精神的健康問題と看護
嗜癖と依存(アルコホーリクス・アノニマスの活動)
内容
人が体験するさまざまな依存関係の背景について学習し、それらが人生に与える影響を理解し、ピア活動の意義について追求する
担当者
中戸川 早苗
No. 11
項目
精神的健康問題と看護
うつ病、双極性障害、嗜癖と依存
内容
うつ病、双極性障害、嗜癖と依存に関する概要および精神症状が生活に与える影響と看護上のポイントについて学習する。
担当者
井手段 幸樹
No. 12
項目
精神症状の理解「怒り」と「不安」/ 看護師のメンタルヘルス
内容
「怒り」という感情に焦点を当て、その心情について、背景や認知の視点から理解する。
担当者
中戸川 早苗
No. 13
項目
精神保健医療と看護の歴史
内容
欧米の精神医療の歴史を概観すると同時に、日本の精神医療と看護の変遷を理解し、その特殊性と現存する課題について学ぶ。
担当者
中戸川 早苗
No. 14
項目
精神治療と人権擁護
内容
精神医療に伴う隔離、拘束などの強制的医療行為の意味を考え、精神科独自の治療環境と人権擁護のあり方について学ぶ。
担当者
中戸川 早苗
No. 15
項目
精神障害をもって生きる人の生活
内容
精神障害者がおかれている社会的立場や社会生活を維持する上での困難となることの理解を通して、精神障害をもって生きるとはどのような体験なのかを考える。リカバリーを基軸とした精神医療について学びを深める。
担当者
中戸川 早苗

到達目標

1.精神的健康とは何かを理解し、精神的健康に影響を及ぼす要因について説明できる。
2.精神的健康を保つ方法を説明できる。
3.精神障害がライフサイクルに及ぼす影響について理解できる。
4.代表的な精神疾患の概要および日常生活への影響について理解できる。
5.現代家族の特徴、家族のライフサイクルの変化や家族システムという考え方を理解する。
6.精神的健康課題を有する患者と家族が地域で生活できるよう、社会資源の活用方法、地域精神保健活動について説明できる。
7.多様な価値観・信条や生活背景を持つ人を尊重することや人間の尊厳及び人権、権利擁護の意味を理解することができる。
8.精神医療の歴史と課題、法制度と経済的施策について説明できる。

評価方法

1)小テスト・課題(20%)、2)筆記試験(80%)により評価する。
評価基準:
・課題では、講義の内容から、精神障害をもって生きることについて想起し、そこから必要とされる看護について具体的かつ丁寧に論述できているかを評価する。
・小テストでは、今までに学習してきた精神保健、精神看護に関する設問に対して正しく解答できているかを評価する。

準備学習(予習・復習等)

【予習・復習に必要な時間数:60時間】
予習:指定された教科書・参考書の各講義項目に関係する箇所を読み授業に臨む。
復習:配付資料と講義内容をもとに復習し、疑問点を明らかにする。

備考・その他

(なし)

教材

種別書名著者・編者発行所
教科書講義時に資料を提示する。
参考書健康な人格 人間の可能性と7つのモデルシュルツ川島書店
参考書家族依存症齋藤学新潮社
参考書ライフサイクル、その完結E.H.エリクソンみすず書房
教科書
署名
講義時に資料を提示する。
著者・編者
発行所
参考書
署名
健康な人格 人間の可能性と7つのモデル
著者・編者
シュルツ
発行所
川島書店
参考書
署名
家族依存症
著者・編者
齋藤学
発行所
新潮社
参考書
署名
ライフサイクル、その完結
著者・編者
E.H.エリクソン
発行所
みすず書房